ローカル大学と共に
「改革」のうねりの中で
南 俶彦(著)
本体価格:1800円
発刊年月:2016/12
ISBN:9784871685887
Cコード:3037
管理番号:10037
地方大学の教員養成系学部に40年間勤務した教授が、時代や改革の波に翻弄される大学や大学人、そして現代の学生の「生態」をリアルに写しとったエッセイ。淡々とした語り口の中に垣間見える、大学人としての矜持と情熱。―何を今さらアクティブ・ラーニングか
少子化状況の中で学生集めに四苦八苦し、何とか活路を見出そうとあれこれの改革を試みる新興の中小私立大学が、生き残るために政策や世論に調子を合わせ、時には自ら買って出て流れを勢いづけようとする光景を、私は目の当たりにした。ほかならぬ私自身がそのように振る舞った。内申点を上げてもらおうと担任教師の前で「よい子」を演じる中学生のように。(本文「新学部設置」より)
大学は、歴史の教訓を踏まえ、正しい現状認識と真理探究に精進し、政治や時流やテクニックに流されず、知性を保って毅然と状況を批判し警鐘を鳴らすことを恐れない、勇気ある拠点であり続けてほしいと、痛切に思う。それ故に私は、それぞれ愛着を持って勤務したローカル大学の教員養成系学部のどれもが、さらに発展・飛躍し、人々の信頼に応えうる教育と研究の場となっていくことを、心から望む。(本文「まえがき」より)
【商品パンフレット】
localdaigaku.pdf(PDF)
【目次】
まえがき
I 思いがけずに
追悼文集
転出
最終講義
死別
新学部設置
II 渦に巻かれて
変貌
セクハラ
学位論文
教員応募
師匠たち
陽光を浴びて
授業
III 雲の色しづまるとき
研究業績
翠雨
要介護1
夕暮れ
帰帆
あとがき