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季刊セクシュアリティ No.1

『10代の性はいま』


本体価格:1429円
発行年月:2001/01
雑誌コード:12839
管理番号:961
品切

戦争に明け暮れた二〇世紀を後にし、人類は平和と豊かな性愛の世紀を切り開くことができるでしょうか。私どもは微力ながら、その夢の実現に力を尽くしたいと考えています。
前世紀末から力強くすすめられてきた営みに、両性の関係を支配と暴力から、融和と共同へ向かわせる努力があります。女性差別撤廃宣言、及び同条約の締結以来、ジェンダーエクイティ(公正な両性関係)をめざした、根本的な関係の見直しとそれを推し進める新たな立法措置など、人類の歴史は大きな転換期を迎えています。
一方で、子どもたちの性行動が活発化する裏側で、望まない妊娠やクラミジアなどの性感染症が増加しています。HIV感染、発症の懸念も含め、教育の遅れを如実に示す問題といわざるをえません。単にトラブルを避けるということだけでなく、自らの性を肯定的に受け入れ、人の性的人権を尊重し、共に生きていく力を育てることは教育本来の重要な課題です。
こうした研究・実戦・運動の一層の広がりと深まりをめざし、定期刊行誌『季刊 SEXUALITY』を創刊いたします。
本誌のご購読はもとより読者の層を二重三重に広げていただきたい、そうしてこの分野の教育と文化の発展に向けて、あい携えて歩んでくださいますよう、心からお願い申し上げます。

二〇〇〇年一〇月
『季刊 SEXUALITY』編集長 村瀬 幸浩
(“人間と性”教育研究協議会代表幹事)

●特集 10代の性はいま

【鼎談】
一〇代の性はいま 大治朋子 高橋裕子 村瀬幸浩
【論文】
一〇代の性と生、考察 北村邦夫
児童ポルノと子どもの人権 中井良次
思春期の子どもと性被害 金子由美子
世界の一〇代と性的自己決定 平野裕二
【現場からの報告】
保健室から/家裁調査官から/電話相談から/児童自立支援施設から/思春期外来から
【レポート】
若者とマスメディア/原宿探訪/同性愛って『フツーだよね』/親・教師・警察官からみた一〇代の性と生

●実践

■小学校
科学的知識を支えに–生殖としての性交を学ぶ 西村須美子
■中学校
「避妊と中絶」を自分のこととして考えよう–ロールプレイを通して自らの性のあり方を問う 樋上典子
■高校
正しい情報を手元に–選択肢の一つとしてのピ- 寺尾由美
■障害児学校
卒業後の笑顔が見たいから–自己肯定感を育てる性教育をめざして 田中紀子

●連載・海外情報など

■連載
HIV看護の現場から/21世紀のジェンダー論/日本的セクシュアリティ/データを読む/セクシュアルマイノリティ/日本の性教育の歩み/知的障害と性/情報化社会と子どもの性/めだかのメ
■海外情報
スウェーデン/フランス/アメリカ/タイ/中国
■巻頭の言葉
時代を切り拓く性教育へ 浅井春夫
追悼・山本直英さん 高柳美知子
■寄稿論文
子どもたちをとりまく消費文化 藤田民生