子どもの学ぶ権利と多様な学び
誰もが安心して学べる社会へ
喜多明人(編著)
本体価格:2500円
発刊年月:2020/02
ISBN:9784871686457
Cコード:3037
管理番号:10075
義務教育段階で、学校を離れて生活している子どもは16万人を超えた。27人に1人、1クラス1名以上不登校の子どもがいる計算である。文科省は「学校復帰を前提とする」不登校対策を全面的に転換し、「学校復帰を前提としない」不登校支援対策に切り換えた。
学校の限界の中で求められてきた「学校外の多様な学び」に注目しながら、学校内部の「子どもの人権」問題にもメスを入れ、今後の学校の行く末を論じ、その方向性を明らかにするように努めた。
子ども・若者、誰もが安心して学べる社会の実現のために提言する。
【目次】
第1部 子どもの学ぶ権利の行使と多様な学びのこれから
第1章 子どもの学ぶ権利と学校外の多様な学びの展望 普通教育機会確保法制定の意義をふまえて
1 問題の所在
2 子どもの学ぶ権利を考える 大田堯先生から受け継ぐべきもの
3 憲法26条から出発する普通教育機会確保法
4 日本における「学校外の普通教育」法制の形成
5 戦後日本の教育改革と学校の役割
6 現代学校の限界と学校外の多様な学びの形成
7 子どもの学ぶ権利の行使と「学校外の多様な学び」
第2章 オルタナティブ教育の意義 子どもの権利の視点から
1 オルタナティブ教育について
2 子どもの学ぶ権利の視点から
3 オルタナティブ教育の意義
4 おわりに
第3章 子どもの学ぶ権利行使とオルタナティブスクールの展開 韓国、台湾の事例に学ぶ
1 韓国における子どもの権利行使 「希望のウリ学校」実践を含めて
2 韓国のオルタナティブ教育の展開と動向—オデッセイスクールなど
3 台湾のオルタナティブ教育(「実験教育」)の展開—森林小学校・親子小学校など
第2部 子どもの安心して学ぶ権利 安心して相談する権利の行使と体罰・暴力の問題
第1章 子どもの「安心して相談する権利」の保障と課題 体罰等の実態・意識調査から見えてきたもの
1 体罰調査の必要性
2 調査の手法
3 調査の結果とその特徴
4 調査結果から見えてくるもの 子どもの「安心して相談する権利」の保障に向けての課題
5 おわりに
第2章 子どもの権利救済につなぐ相談の特徴と課題 せたホッとの相談・調査専門員の立場から
1 はじめに
2 子どもの人権擁護機関の職務と相談・調査専門員の役割
3 子どもの人権擁護機関における「相談」の特徴
4 子どもの権利と救済につながる相談の意義
5 思春期の子どもたちの支援
6 子どもの人権擁護機関が持続的に役割をはたしていくために
第3章 スクールソーシャルワーカーと子ども相談 守秘義務と参加の権利に着目して
1 はじめに
2 相談における権利保障とは?子ども相談における独自性
3 スクールソーシャルワーカーと子ども参加
終章 子どもの権利条約と日本の学校の行く末
1 問題の設定
2 日本の学校の分岐点 「子どもの人権」問題への対応から
3 学校のゼロ・トレランスに抗して—「指導死」問題を考える
4 日本の学校、教師を守る
5 日本の学校の未来—地域の学校共同体の形成へ
6 まず、おとなが幸せでいてください—教師と保護者の権利宣言
資料編
資料1 大田堯先生ビデオメッセージ
資料2 子どもの権利条約フォーラムメッセージ(大田堯)
資料3 普通教育機会確保法全文
資料4 不登校の子どもの権利宣言
資料5 A町子どもの学ぶ権利に関する条例(仮称・案)
資料6 若者を対象とした子ども期の家庭の体罰等に関する実態・意識調査インターネット調査質問票
資料7 指針ガイド20学校事故対応に関する文科省指針
資料8 韓国・光州広域市学校自治に関する条例